施設長が語り合った「フィロスの保育」――4つのグループが紡いだ言葉
2026年6月、中部・関東の施設長が名古屋に集まり、合同研修を行いました。
研修のハイライトとなったのが、「フィロスの保育を語り合おう」と題した熟議です。中部・関東の施設長が混合グループに分かれ、それぞれの園で大切にしていることや、日々の保育で感じていることを持ち寄りました。
同じフィロスの園であっても、地域や園の規模、子どもたちの姿、これまで積み重ねてきた実践はそれぞれ異なります。
この熟議は、法人として同じ形にそろえるためのものではありません。各園の違いや、それぞれの施設長が大切にしてきたことを持ち寄りながら、その中にある共通するものを見いだすために行い、話し合いの最後にはグループごとに「私たちが考えるフィロスの保育」を一つの文章にまとめました。
グループ名は、名古屋らしく「ひつまぶし」「エビフライ」「手羽先」「みそかつ」。4つのグループが熟議を通して紡いだ言葉をご紹介します。
ひつまぶしチームの「フィロスの保育」

田 淑姫(もりの風こども園 園長)
永山 利恵子(にじの花保育園 園長)
岩本 理恵(ソラーナじょうさい 施設長)
佐々木 真由美(ゆめの樹保育園ほどがや 園長)
増渕 良(ゆめの樹保育園はつだい 園長)
フィロスの保育で大切にしている「やりたい!楽しい!子どもが主役」をテーマに取り上げたとき、子どもの成長・発達の過程で、避けてはいけない経験があると考えました。子どもが主役となり、「やりたい」と思える気持ちを実現するにあたっては、大人が根拠、見通しを持って見守る。大人も子どもも失敗を恐れずにチャレンジできる。失敗と捉えず、やり直す力が、たくましさとなる。育ちの中で起こる子ども同士の喧嘩や、さまざまに湧き上がる感情と向き合い、たくさん心を揉んでいく。それは決してネガティブなことではなく、人が育つ上で必要な経験です。それこそが、しなやかでたくましい人に育っていく。それが生きる力の素地です。
エビフライチームの「フィロスの保育」

川崎 美樹(ゆめの樹保育園 園長)
杉村 智恵(シャイニー・キッズ保育園 園長)
戸水 智映(ソラーナひびの 施設長)
松本 直子(ゆめの樹保育園おぎくぼ 園長)
佐藤 美幸(ソラーナ目白 施設長)
フィロスの保育とは、子どもが主役の保育。愛情深く寄り添い、子どもの目線に立ち、子どもの発見を見逃さず、子ども一人ひとりの思いを尊重します。保育者は、子どもたちが今、何を感じ、何を求めているのかを探り、追求することを一緒に楽しみます。また、困ったときは周りに助けを求められる関係性を築いていくことで、質の高い、ていねいで愛情深い保育を実現します。
手羽先チームの「フィロスの保育」

塚本 美志(星のまち保育園 園長)
中路 博美(植田にじの花保育園 園長)
渋谷 実帆(ソラーナほんごう 施設長)
吉村 寛子(ゆめの樹保育園しんこいわ)
大坂 くにこ(ゆめの樹保育園なりたにし)
フィロスの保育で大切にしているのは、「やりたい!楽しい!子どもが主役」。保育士も子どもも、毎日が楽しいと思えるような保育をしていきたい。子どもの「やりたい」をかなえるための環境を整えることが大切で、保育者は子どもの姿をしっかり見た上で、年齢月齢にとらわれずに子どもたち一人ひとりの思い、発達に寄り添った関わりをしていきたいです。そして、今、目の前の子どもの姿だけではなく、その子の将来を見据えた関わりをしていかなければいけない。手を出しすぎず、口を出しすぎず、待つ保育が大切。「あれダメ、これダメ」と言われないので、何度もチャレンジしようとする力、諦めない心が育ち、「やった!」「できた!」の体験を重ねることで、生きる力が育っていく。そして、夢中になって遊ぶ、続ける、失敗しても恐れない、の繰り返しで、しなやかでたくましい心が育っていきます。どんなときも子どもを一番に考える。そして、ていねいな生活を送る中でていねいな声かけ、子どもたちにていねいに関わる。そして、保護者にもていねいに。それが信頼、子どもたちの育ち、すべてに関わっていく。
みそかつチームの「フィロスの保育」

速水 和子(小幡もりの風保育園 園長)
鈴木 祐実子(刈谷ゆめの樹保育園 園長)
福井 留未(ソラーナほんじん 施設長)
加藤 絵理(ソラーナいりなか 施設長)
五十嵐 亜紀(ソラーナ柳窪 施設長)
各園の園長たちと話し合ってまとめた内容が、フィロスの保育につながっていくと感じました。それがチームワークであり、環境設定であり、人権であります。それらを大切にすることが、すべての子どもたちの「やりたい!楽しい!子どもが主役」につながっていくと思います。そのためには、子どもに関わる職員も大切な存在でなければいけません。職員も尊重されるべき存在であると感じました。子どもたちも職員も、みんなが幸せになれる。それがフィロスの保育だと思いました。
4グループの発表を聞いて
使われている言葉や着目した点は、グループによって異なります。しかし、4つの文章を重ねて読むと、そこにはいくつもの共通するものが見えてきます。
子ども一人ひとりの思いや「やりたい」を尊重すること。子どもの姿をよく見て、環境を整え、必要以上に手や口を出さずに待つこと。失敗や葛藤も育ちに必要な経験と捉え、何度でも挑戦できるように支えること。そして、その保育を実現するために、保育者同士が支え合い、職員自身も尊重される存在であること。
保育の具体的な形は一つではありません。それでも、その根底に流れている子どもへのまなざしや、大切にしたいことはつながっていました。
誰かが用意した一つの答えを確認したのではなく、それぞれの経験や考えを持ち寄り、対話を重ねることで見いだした「私たちのフィロスの保育」。この言葉を完成形とするのではなく、これからも各園での実践と対話を通して、さらに深めていきたいと思います。


