子どものやりたい!に寄り添う にじの花保育園 園長インタビュー

園長インタビュー にじの花保育園

大きな家族のようなあたたかな雰囲気のにじの花保育園。子どものやりたい!気持ちにとことん寄り添うことで、子どもたちも職員も穏やかに気持ちよく過ごしているようです。どのような思いで毎日の保育を行っているのかをお聞きしました。(聞き手:法人本部 成瀬)

にじの花保育園はどんな保育園?

園児は定員は60人で、現在は66人の子どもたちが通っています。0歳から年長までの子どもたちが通っていますが、園舎もこじんまりとしていて、住宅地にポツンとあるような感じです。天気のいい日には公園に行ったりとか、園庭で遊んだりして、とてもアットホームな園です。異年齢で過ごしながら子どもがやりたい遊びをして遊んでいるところが大きな特徴です。

子どものやりたい!に寄り添う保育とは?

「やりたい!楽しい!子どもが主役」というスローガンの通り、子どもたちは本当に毎日楽しく過ごしています。

その中で保育士は、子どもたちの活動をどうやって成長につなげていくか、発達段階を踏まえてどういう保育計画をしていくかを考えるわけですが、楽しいだけでは子どもは育っていかないし保育施設ですから、子どもの育ちをしっかりとらえて保育計画をたてるようにしています。とにかくしっかり準備して、あとは子どもたちの声に応えて臨機応変に保育士が動く。難しい部分もありますが、チームみんなで相談しながらやっていきますので、新しい先生も一人で抱え込むこともなく、「こうしてみたらどうかな」とか、「こんなふうに思っているんだと思うんだよ」と伝えながら進んでいっている感じです。

例えば、遠足に行くにしても、「どこにいく?」とか、「おやつどうする?」とか、「保育園で用意するなら何がいいかな、もしくは一緒に買いにいく?」みたいなことを子どもと話し合いながら進めます。小学校に上がった時にも、自主性が育っていて嫌なことをいやと言えるような子どもになるといいなと思います。

また、園庭で育てているピーマンが秋なのにどんどんできているのですが、頃合いを見て自分で収穫して私に届けに来る子どもたちがいます。塩昆布と炒めて食べてみたりとか、「チャーハンにしてほしい」とリクエストに応えて保育室で調理してみたりとか。担任の先生たちはなかなかイレギュラーなことができないということがわかっているのか、なぜか私のところに持ってきては、こうしてほしい、ああしてほしい、と言ってくる。できないこともありますが、子どもがやってみたいことをいかにかなえるか、ということを日々やっているからだと思っています。

保護者の方からも、「こんな保育があるんだね」みたいなことをおっしゃっていただいたりすることもあります。一斉保育の中で決められたことをやっていくのではなくて、すべて子どもが決めていく方に持っていけるといいなと、そんな年長児を目指してやっています。

開園当初から子どもに寄り添うを徹底した保育でしたか?

開園時、私は保育職員でしたが、当初は学年別のクラスごとで保育を行っていました。0歳児は0歳児、3歳児は3歳児という感じで別々で過ごしていて、例えば3歳児クラスだと園児12人にひとりの先生がいるという形でした。

3年目くらいだと思うんですが、異年齢保育を取り入れようということになって、保育室の壁を取り払いました。クラスも混ざりだしましたが、どうやってやったらいいかわからないという中で進んでいて、振り返ると私たちは子どもたちに決めさせてると思っていたけど、「お外行きますか、ブロックしますか、お絵描きしますか」と選ばせているだけで、これが自主性や主体性なのかなと。5年目くらいの時に一度見直して、子どもの自主性や主体性をどうやって引き出していくかということを突き詰めた結果、異年齢保育も深まりました。

現在は、赤ちゃんのところで過ごす年長さんがいたりとか、今日は体操教室だからそろそろ部屋に戻るねとか、自分で考えて行動できる場面が増えています。言葉で言えない年齢でも、やりたいという気持ちを表現した時にそれを汲み取ってあげることで、自分を受け入れられたという自己肯定感が育まれるし、求めると叶うという繰り返しでどんどん表現できるようになるんです。逆に、大人の側が少しそれをさぼると、あっという間に子どもがやりたい気持ちを表現しなくなることも経験しました。子どもの声を、言葉にならない声も含めてしっかり汲み取ってかなえてあげることが大事だなと感じているところです。

また、保育士側から見てもひとりで12人の子どもを見ている状況であれば、部屋に戻る時間には絶対に全員を部屋に入れなくてはいけないので泣く子を引きずりながらということも出てきますが、さまざまな年齢の子どもが混ざり合う大きなクラスをチームで保育をしていると、まだ遊びたい子どもがいたら園庭に残る先生に託せばいいだけです。給食とかお昼寝とかの時間が過ぎない限りは、順番に誘っていけばそっちの流れになるので、子どもに無理をさせるストレスがないんです。

「ごはんの時間だよ」とか、「おもちゃは終わりの時間でしょ」、みたいに子どもを動かそうととしていたこともあるから余計に今の状態がいいと感じます。子どもたちの顔がとても穏やかですよ。

園長としてどんな思いで保育園を運営していますか?

学校を卒業して、まずは幼稚園に就職して12年働いて、全然違うことをやっている時期もあり、初めて保育園に就職したのがにじの花保育園でした。幼稚園で働いて、保育士として働いて、主任を経て、今は園長という立場で保育に携わっていますが、子どものためにというところと、子どもが一番というところは、場所が変わっても立場が変わっても、自分の中では変わらないし変えてはいけないところだと思っています。

幼稚園の時は1クラス37人くらいいて、手も回らないし、給食食べるよって言って机を出すのも椅子を出すのも何から何まで一人でやらなきゃいけない。で、ぎっくり腰になったりとか、声が出なくなったりとか(笑)。保育園だと、うちはチームでやってるから特になんですが、サポートし合えるので、ちょっとしんどいときは支え合いながらできたりするっていうのはいいなって思います。

また、幼稚園だとクラス全員が揃うのは4時間くらいなので、とにかく目まぐるしい。時間に追われて、あれやりなさい、これやりなさい、みたいな。今日は絵を描く日です、みたいなやりたくないことをやらせなくてはいけない部分が、私自身、経験を積めば積むほど疑問に思ってきたりしていました。にじのは保育園だと、こっちでこの人がこれやって、あっちでこの人これやって、この先生がちょっとお手伝いしてくれて、みたいなのが、一日の時間は少し長いですけど、ずっと一人でやらなくてはいけないという負担はすごく少ないんじゃないかなと思います。

園長になって今年で4年目になります。最初は園長らしくならなくてはと思っていたときもありましたが、いろんな園長がいていいんじゃないかなというところで今は落ち着いています。半分園長、半分保育士でいたいなと思っていて、子どもたちと過ごすときにもいち保育士として過ごすようにしていますし、保護者の相談を受けるときも保育士として接していることが多いかもしれません。

保育の仕事はすごくハードで精神面も体力面もきつくなるところがありますが、子どもは本当に天使のようですし、もらうものがたくさんありますよね。子どもの成長を喜ぶことを仕事にできるなんて保育士っていい仕事だなって思いますし、職員の先生たちとそういう感覚を共有できるようになってきていいチームができてきたなと感じています。

コロナ前のお餅つき(右が永山園長)

職員の様子や職場の雰囲気は?

保育の仕事をしていると、子どもに思いが入りすぎてしまって、休まなかったり自分を犠牲にしまうことも多いと思うんです。お休みも用事がないと休まないということになりがちですが、にじの花保育園では気兼ねなく平日のお休みをとっていただいています。土日を挟んで金曜日から月曜日で連休にしたり、振休の前後もお休みにして連休にしたり、特に理由は聞かないですし理由がなくて休みが取れるって最高じゃないですか。だらだらするもよし、平日はすいているから行ってみたいお店があったら行ってたらいいと思うし、ぼーっとしてていもいいと思うし。行事の前後とかでどうしても難しい時もありますけど、有給はリフレッシュのためにとろうね、っていうのがモットーです。楽しいことは共有したいじゃないですか。共有しながら、職員とのコミュニケーションが深まっていくだろうし、なにより先生たちがごきげんでいることが、子どもたちにとっても一番いいと思うんです。

休憩の時は和気あいあいとしながら、そこで保育の相談をしたりもしています。年齢もさまざまで20代から50代まで幅広くて、お母さんと働いているみたいな人もいますけど、ジェネレーションギャップで話ができない、というのもなさそうです。ずっとスマホやっている人はスマホやっているし、眠い人は寝たりしています。とにかく、休憩は無理やりにでもとってほしいなと思っています。

休憩中の雑談の中から、山登り計画が持ち上がったりもしています。昔ワンダーフォーゲル部にいた先生がいて、実はちょっと山に登ってみたいけどなかなか一人では始められないと思っていた先生もいて、まだ実現していませんが来年こそはと話しています。コロナ前には、「中華食べたいね~、行く人!」みたいな感じで会議の後にご飯を食べに行ったりとか、保護者の方が経営されているお店がオープンしたときにはみんなで行ってみたりとか、さらにそのあとカラオケ行ったりとかもありました(笑)。もちろん強制ではないし、行ける人が行きたいときだけ行けばいいという前提です。職場を離れると話す内容も変わって仕事とは違う話もできたりするし、それが働きやすさというか、居心地の良さにもつながっていくと思っています。

保育の仕事を探している方へメッセージ

学生さんは初めての社会人経験になりますが、とにかく子どものことが大好きで、子どものためならという人をお待ちしています。明るく元気に、みんなで手を取り合っていきたいなと思っています。わいわいと、大人数で過ごすことが好きだなとか、いろんな人と関わっていくことが楽しいなと思うような方はすごくにじの花保育園に向いているんじゃないかなと思います。ぜひ一度遊びに来てみて、感じていただけたらと思います。

既卒の方は、いろいろと不安もあるでしょうし、慣れ親しんだ職場を離れて次に行くというのはハードルが高いと思うんですが、一度見学に来て感じていただいて、雰囲気を感じていただくのが一番です。今までやってきたことをベースににじの花保育園で、なかなか他にはない保育をしていると思いますので、いっしょにやっていただける方をお待ちしています。ぜひ一度遊びに来てください。

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保育の様子がよくわかる!ブログも更新しています。